COVID-19で患者数激減
政府の緊急事態宣言解除後も医療機関には患者が戻ってきていません。これは消費が減少した他の多くの業態と同様です。4月、5月と医業収入(対前年同月比)は減少しています。
45%近くの医療機関が3割以上減収となっています。そして6月も戻ってきていません。3割以上の減収がまだ3割強(31.6%)ありました。特に東京のような都心部に開業した診療所は厳しくなっています。東京の開業医はその19.1%が6月でも患者数が半減していると答えています。閉院を検討していた全国の診療所は、COVID-19をきっかけに閉院を決めましたし、開業間もない診療所は患者数の伸びが止まってしまい、黒字転換まで先が見通せない状況となっています。COVID-19の患者のための病床を空けておく必要があり、緊急の手術以外は先送りしているため病院も収入が激減しています。勤務医の雇い止めも始まっています。契約期限の終了に伴い、少ない勤務時間にするか、契約終了か、どちらかを求められたりしています。
この現象は いうなれば不要不急の医者通いを今までしていたことを表しています。日本では国民皆保険制度により患者負担が少ないため、通院しやすくなっています。1972年以前、70歳以上は自己負担が30%でした。その後、高齢者を対象とした新たな医療保険体制が構築され無料化されました。自己負担ゼロ%の頃は、多くの診療所が老人の社交の場と言われたこともありました。国民皆保険制度のないアメリカでは、今回のCOVID-19の治療で退院後に1億2千万円の請求書が届いたそうです。この方はメディケアに加入していたそうです。日本では高額療養費制度があり、確定申告で還付されます。
6月の外来患者減少が最も深刻だったのは耳鼻咽喉科で、96.4%が減少しており、32.1%は半減していました。減少と答えた割合は、眼科(94.8%)、小児科(94.5%)、内科(89.6%)と続きます。小児科は減少の割合では3番目でしたが、減少幅が大きいのが特徴で、半減が41.7%、40~49%減が25.0%を占めています。小児の医療費はかつての老人医療費のように無料化している自治体も多いからでしょう。
病院へ行かなければ健康になれる
緊急事態宣言で、病院に行かなくなってからなんだか調子がいいという場合も出てきていることでしょう。副作用のない薬はありません。飲んでいる薬の副作用でまた薬が追加され、さらなる副作用でまた追加ということも良くあります。皮膚科でもらっている薬の副作用で内科通い、ということもあるでしょう。
ここまで膨大に膨らませてきた医療費を見直す時期に来ています。その金額は42兆6千億円(2018年度)と前年度から約3千億円増えました。これは税収58兆8千億円の72%にあたります。
2006年に財政破綻した北海道夕張市では、破綻後に総合病院が1軒もなくなりました。病床数は有床診療所19床のみとなり小児科はゼロでした。このことにより、かえって市民の病気への予防意識が高まり、死亡率や救急車出動率が低下し、がん、心臓病、肺炎などで亡くなる人も激減しました。
国民が不要不急の病院通いを止めることができるように、夕張市のように政策転換することが必要です。製薬会社が薬を売り、機械メーカーが高額な検査機械を売り、医師会が診療報酬を増やそうとする、製薬会社、医療機器メーカー、医師、この3者と自民党は癒着しています。自民党政権を終わらせることで国民が健康で幸せになれる新しい日本の創造と転換の時期です。