携帯電話と男性の精子の量
米国生殖医療学会での研究発表でインドのムンバイ市の不妊治療病院での調査結果です。
携帯電話の使用時間が長くなるに従って精子の数が減っていっています。(男性不妊と電磁波の関係)
イスラエルのヘブライ大学のハガイ・レビン博士とブラジル、デンマーク、イスラエル、スペイン、米国の研究者らによる共同チームが、生殖医療の専門誌に論文を発表しました。
1973~2011年に精液を提供した世界50カ国の男性計4万2935人について、精子の総数と濃度(精液1ミリリットル当たりの数)を調べました。
すると北米や欧州、オーストラリア、ニュージーランドの先進諸国に住む男性のグループでは精子の濃度が、全体で59.3%減になっていることが分かりました。6割近くも減っています。またこの研究によると、南米やアジア、アフリカに住む低開発国の男性のグループでは目立った変化がみられませんでした。
日本人男性の精子の調査データはありませんが、先進国の中では最も精子数、濃度ともに少ないと言われています。日本人は最も電磁波被曝が多いからではないでしょうか。
電磁波被曝と職業病としての神経変性疾患
ミシンを使う職業(裁縫、服の仕立て屋):アルツハイマー病発症リスクが3倍
発電所作業員:筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症リスクが最大5倍
溶接工:アルツハイマー病発症リスクが4倍でALSの発症リスクは2倍
鉄道列車の運転士:アルツハイマー病発症リスクが3倍
銀行の窓口係、美容師:死亡証明書による調査ではアルツハイマー病の発症が最も多かった(データが1992年から1998年とまだ一般にパソコンが普及していなかった時代から考えると、銀行の窓口係はパソコンが原因と思われます。美容師はドライヤーが原因です)
電磁波を浴びるとBBB(血液脳関門)が開く
BBBは有害物質(ウイルスやバクテリアを含む)が脳髄液に移行しないように脳内を守っている関所です。マイクロ波(携帯電話の電波)の暴露でこのBBBが機能しなくなります。これは体内に入った有害物質が容易に脳内に達してしまうことを意味しています。
アラン・フレイ博士の研究では、ラットを携帯電話のマイクロ波を浴びせた群と浴びせなかった群に分け、血管内に蛍光染料を注入しました。浴びせた群は、ものの数分で脳内が蛍光染料で汚染され、浴びせなかった群は、脳内に蛍光染料は到達しませんでした。
電磁波曝露はメラトニン生成を阻害する
メラトニンは頭蓋内の松果体と言われるところから出されるホルモンで、セロトニンから生成されます。強力な抗酸化物質でフリーラジカルからDNAを保護するアンチ・エイジングの役目もしています。また1日の中でその量が変動し、睡眠のリズムを調節したり、免疫系にも関与し癌の発生を防止する役目もあります。
S・G・ワンの研究によると、マイクロ波を浴びると用量依存的にセロトニンが増えていることが確認されました。これはメラトニンが作られず少ない可能性を示唆しています。
バリー・ウィルソン博士のチームは家庭用電源(50サイクル、60サイクル)の影響をしらべる目的で、28人のボランティアに電気毛布を使ってもらい、夜間のメラトニンの量を調べました。すると有意にメラトニンが低下していました。
自殺リスクは電磁波曝露で高まる
2007年から2008年にかけて、22人の子供が自殺し有名になった英国サウスウェールズのブリッジエンドと言う場所で行ったロジャー・コッグヒル博士の調査では、英国人の平均は携帯基地局から800mの距離に住んでいるが、その子どもたちの平均は356mであった。
マリア・ライクマニス博士チームの磁場の影響調査によると、検視官が認定した自殺者651人の内、590件の自宅住所の磁場を測定しました。対照の594件との比較で、「高い」「非常に高い」に分類された住所では自殺率が40%高かった。
その他の研究
花粉症にしたマウスにテレビの電磁波を浴びせると、電磁波を長く浴びるほど、花粉症が重症になる。(花粉症と電磁波の関係)
鶏の卵に携帯電話の電磁波を浴びせると孵化しなくなる。(不妊症と電磁波の関係)
カタツムリに家庭用50サイクルの電磁波を浴びせると早死にする。(エイジングとの関係)
《終編に続く》