線維筋痛症の治療は対症療法
線維筋痛症の痛みの原因は、筋肉や腱、関節などの抹消組織ではなく、自己免疫により脳や脊髄などの中枢神経系に異常をきたすことにあります。
したがって線維筋痛症の治療には、痛みを抑えることを目的にサインバルタなどの抗うつ剤、そして痛みを伝える神経伝達物質の量を増やすリリカなどが保険適用となっています。副作用の少ない下行性疼痛抑制系賦活作用のあるノイロトロピンもよく使われます。しかしこれらの薬は痛みを感じなくさせようとしているだけで、対症療法にすぎません。
線維筋痛症の原因は産業化学物質
「いまだ線維筋痛症の発症原因はわかっていないため、効果的な治療法が見つかっていない状態にある」という医学会は、産業界に忖度して産業化学物質が原因であることを隠しています。自己免疫疾患の一種である線維筋痛症の原因は、産業化学物質にあります。
線維筋痛症は女性に多い病気
線維筋痛症は1990年に米国のリウマチ学会によって、はじめて病気の概念が定義されました。2010年には痛み症状に、随伴症状も合わせた新たな診断基準が作成されています。
疫学調査によると、米国では女性の一般人口に対する有病率(病気に罹っている人の割合)は3.4%、男性0.5%、カナダの調査では女性4.9%、男性1.6%というデータがありますので、女性の場合は20~30人に一人は線維筋痛症に罹患していることになります。そして圧倒的に女性が多いということがわかります。中高年の女性に多い病気ですが、最近では若い人にも増えてきています。世界的な歌手のレディー・ガガさんは、Twitterで線維筋痛症を患っていることを告白しています。なぜ女性に多いのか。その理由はいまだ解明されていません。メンタリティーや女性ホルモンの関与など推測されているだけです。
腸管免疫の復活こそが線維筋痛症の根本治療
ヒトの免疫の70~80%は腸管免疫にあります。小腸にあるパイエル板と腸内フローラと呼ばれる大腸の膨大な量のバクテリアが、私たちを異物から守ってきました。
口から肛門まで腸管内は外界とつながっています。しかしこの腸は外界とは大腸壁細胞というたった1個の細胞層で隔たれているだけです。
腸陰窩内では細菌のフローラが防御壁を作って外界から守ってくれています。しかし近年は次々と新しい産業化学物質が作られ、食品に添加されるようになりました。この食品添加物が腸管免疫を破壊しています。防御壁を失った腸管から、数多くの産業化学物質が私たちの体内へ入ってきています。あまりにも多くの化学物質に対処しきれなくなって、狂ってしまい、自分まで攻撃してしまったのが自己免疫疾患です。この原因である化学物質を身の回りから排除することが必要で、これが対症療法だけではなく根本治療になります。生活環境の改善こそが治療に必要であるにもかかわらず、収入に繋がらないため医療界では無視されています。