自己免疫疾患としての線維筋痛症
線維筋痛症はリウマチと同じような自己免疫疾患になります。自己免疫疾患の代表的なものは慢性関節リウマチや膠原病がありますが、最近は様々な疾患に自己免疫異常の関与が知られるようになりました。自己の免疫が脳や脊髄神経を攻撃する多発性硬化症や、自己の免疫が心臓を攻撃するmRNAワクチン接種後の心筋炎、不整脈での死亡などがあります。
新型コロナワクチン接種後の突然死も自己免疫疾患
ドイツのハイデルベルク大学の医学病理学者等6人のチームが、ワクチン接種後28日以内に自宅での死亡が発見された様々な年齢の25人の犠牲者を解剖して調べました。その結果、免疫細胞のひとつであるマクロファージが心臓の筋肉を攻撃することによって心室は震えだし(心室細動)、数分以内に死亡していたと結論付けています。mRNAワクチン接種による不整脈による死亡です。
自律神経失調症の一部も自己免疫疾患
また自律神経失調症も自己免疫で生じることがわかってきています。自己免疫性自律神経節障害(AAG)と呼ばれ、新型コロナウイルス感染症の後遺症との類似も指摘されています。コロナ後遺症に限らず自律神経失調症の一部は、自己免疫疾患であると認識する必要があります。それは自己免疫が自律神経節を攻撃するからです。
線維筋痛症の症状は多くの診療科
線維筋痛症は、体のあちこちの筋肉痛と関節痛が主な症状で疲労感を伴うことも多く、日常生活が妨げられる病気です。随伴する痛み以外の症状は実に多彩であり、血液検査、画像診断、その他で全く異常は見つかりません。そのため子供の場合は仮病と間違われることもあり、当クリニックに来院された女性の患者さんには「もう2度と来るな」とドクターに怒られたという患者さんもいました。
1957年ニューヨーク州立大学免疫学教室のローズとバイテブスキーが、自己を守るためにある免疫が自己を攻撃するはずがないという定説を覆す大発見を発表しました。それでも、医学会は決して自己免疫疾患を認めようとしませんでした。
しかしその間にも、自己免疫疾患の患者は増加の一途をたどっていました。特に西側先進諸国でその数が急増し、自己免疫疾患は「西洋病」と呼ばれるようになっていきます。1970年代になってようやく一般化していきます。そしてその病気の種類はクローン病、潰瘍性大腸炎、ギランバレー症候群、重症筋無力症等々多岐にわたっていきます。今や自己免疫疾患はその数100種類以上に増えています。線維筋痛症もその一つになります。
自己免疫疾患の原因は産業化学物質
自己免疫疾患は、体内に入った産業化学物質を従来から体内に存在していたEBウイルスなどと勘違いして、攻撃を開始することがわかっています。また人畜無害とされる化学物質でも、極めて微量を長期間暴露させると、自己免疫疾患を発症することがマウスの実験で確かめられています。
日本でも西洋化が進むとともに身の回りに化学物質があふれ、その数は急激に増えています。製造業や建設業などの産業現場では、さまざまな工程で有機溶剤や重金属等多くの化学物質が使用されています。仕事上でこれらを使用したことによる健康障害は「産業中毒」と呼ばれ、労災が適用されます。一般家庭にも産業化学物質があふれ、同様の状況になっていることを認識する必要があります。
つづく