副作用

健康食品は医薬品よりも重篤な副作用

健康食品は決して安全ではない

健康食品にも様々な副作用があります。最近は大手食品メーカーも、健康食品の販売に力を入れるようになってきました。しかしその副作用については全くと言っていいほど書かれてはいません。健康食品は薬と違って副作用がなく安全である、と信じている人もいることでしょう。

Institute of Biomedical Research in Malaga(スペイン)のInmaculada Medina-Caliz氏らの研究によると、サプリメントの肝障害は医薬品による肝障害よりも重篤であり、しかも繰り返し起こっているということです。

Inmaculada Medina-Caliz氏らは1994年から2016年にスペインの薬物性肝障害発生登録をもとに分析をしました。従来の医薬品または蛋白同化ステロイド含有製品(いわゆる筋肉増強剤)と市販されているサプリメントを比較しました。薬物性肝障害発生登録856例の内、サプリメントによる薬剤性肝障害は、筋肉増強剤による肝障害の2倍ありました。

サプリメントによる肝障害患者の平均年齢は48歳で、女性が63%を占めていました。68%はALT(GPT)の平均値が正常上限の37倍でした。また、その中の78%は黄疸を発症し、6%が急性肝不全に進行していました。一方、医薬品による肝障害患者で急性肝不全に進行した患者は4%、筋肉増強剤ではゼロでした。

サプリメントによる肝障害患者の9%が再発していましたが、医薬品では6%、筋肉増強剤では再発なしです。このことは副作用がよく言われる医薬品よりもサプリメントのほうが危険だということです。

サプリメントは自然のモノ由来で、野菜や肉魚を食べているのと同じだと勘違いしているからです。医薬品になるかサプリメントになるかは、その成分で決まっているのではありません。その国の役人がどう判断して決めているかだけによるものです。

認知症、耳鳴り、月経前症候群に用いられるイチョウ葉エキスですが、日本では健康食品ですが、医薬品として健康保険が利くヨーロッパの国もあります。大麻草エキスも我が国では健康食品ですが、海外では医薬品として医師の処方で利用できる国も増えてきました。もともと自然界に存在するものから有効成分を見つけて医薬品としたものですので、サプリメントと本質的な違いはありません。

大麻草エキスからCBDだけを抽出したものは医薬品に相当しますが、国によって医薬品の指定をするかしないかだけの差でしかありません。アーサーオイルは大麻草の茎から抽出したエキスを原料の一部として使用していますが、この原料には7%しかCBDは含まれておらず、残り多くは、その他のカンナビノイドとテルペン類です。更にこの原料を大麻草の種から取り出した油でかなり薄めていますので、CBDの濃度としては僅か0.6%です。以前は大麻栽培農家さんたちは山菜のように食べていたようですので、摂取量からするとCBDはわずかとなるでしょう。

果実や野菜の赤い色素にリコピンがあります。通常では食べられないほど大量のトマト50~60個相当のリコピン含有サプリメントも発売されていますが、こうなると医薬品級です。当然副作用も出てきます。現在確認されているものとしては、動物実験で癌細胞の広がりを増加させるので、確定診断された前立腺がんを悪化させることが示唆されています。

イチョウ葉エキスでは肝臓がんと甲状腺がんのリスクが高まり、副作用として胸やけ、頭痛、めまい、便秘、動悸、アレルギー性皮膚炎があります。また糖尿病、不妊症の方は医師に相談が必要です。