COVID-19, うつ病

コロナ感染の症状に”うつ病”がある

うつ病のモノアミン仮説

現在この仮説に基づいて、精神科や心療内科では薬剤が処方されています。モノアミンとはノルアドレナリンやセロトニンなどの神経伝達物質のことで、このモノアミンが脳内で不足することにより、うつ病が発症するというのがモノアミン仮説です。

精神科や心療内科で処方される薬は、ノルアドレナリンやセロトニンを増加させる作用があります。これらの薬を飲むと1日で血中のモノアミンは増加します。にもかかわらず何か月も治らないのはなぜでしょうか。不思議に思いませんか。それは治す薬ではないからです。風邪の時も治す薬は処方されません。咳が出れば咳止め、熱が出れば解熱剤、鼻水が出れば抗アレルギー剤と対症療法で自然と治るのを待ちます。これらの風邪薬はすぐに効果が出ますが、抗うつ薬はすぐには効果が出ません。対症療法としても失格ではないでしょうか。

うつ病の神経炎症仮説

脳内の神経に炎症が起こることにより、うつ病になるという仮説があります。この神経炎症仮説が実は正しいのです。そして脳神経の炎症がなくなれば、うつ病は治ります。

この防衛医科大学校精神科学講座、免疫微生物学講座の論文ではA,B,Cと3パターンが考えられていますが、正解は「未解明のうつ病発症経路」→「神経炎症」→「うつ病・抑うつ症状発症」になります。うつ病の患者では炎症性サイトカインの増加がみられることは知られています。

新型コロナ感染症COVID-19では、炎症性サイトカインによる障害が全身のあらゆる臓器で見られます。COVID-19はサイトカインストーム症候群です。脳にコロナウイルスが感染した場合に、コロナうつを発症します。味覚神経や臭覚神経は直接脳神経と繋がっています。新型コロナウイルスに感染して味覚障害や臭覚障害を起こした場合は、その後コロナうつになりやすく、これらの症状がなくても、うつ症状そのものが新型コロナウイルス感染の症状のひとつです。

コロナうつが女性に多い理由

コロナ禍で女性と子供の自殺が増えています。自宅療養中に自殺した女性の件で小池百合子都知事がコメントしています。このように原因を社会問題としてのみ捉える人が多くいますが、それは間違いで医学の問題でもあります。若い女性と子供は、新型コロナウイルスの感染により、無症状であっても脳神経に炎症を起こしている場合があります。アメリカではSNS通じて調査した症状の中に味覚障害よりも頻度の高い症状としてSadness (悲愴感)があります(2020年9月10日のブログ)。それでは、なぜ女性と子供に抑うつ症状が多いのでしょうか。そのわけは女性と子供が魚介類を食べなくなったからです。今後、ブラジルで発生した新変異種の新型コロナウイルス(この変異種は赤ちゃん・子供を含む60歳未満の死亡率が40%を超えています。)が日本国内に入ってきた場合にそなえて、女性と子供は積極的に魚介類を食べるようにしましょう。できる限り毎日(3食のうち少なくとも1食は)食べることです。魚介類に豊富に含まれるビタミンDと亜鉛は免疫を高めます。女性のビタミンD不足に関してはブログ2020年10月19日をご覧ください。男性よりも女性が不足しています。

亜鉛は体内代謝の多くの酵素に必須で、その不足は致命的です。血清亜鉛濃度とうつ病の関連は多くの研究で調査されています。健常者よりもうつ病患者は有意に血中亜鉛濃度が低くなっています。また血清亜鉛濃度の低値は治療抵抗性のうつ病のマーカーとなります。亜鉛については2020年10月23日のブログに書きました。

アメリカでは大統領がCOVID-19に感染したときにビタミンDと亜鉛を使って治療しています。毎日魚介類を食べることが困難な場合は、サプリメントを活用すると良いでしょう。サプリメントはこちらで紹介しています。

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