COVID-19, ワクチン

オミクロン株の感染予防は基本対策

オミクロン株(B.1.1.529)にはワクチンが効かない

米国アーロンダイヤモンドエイズ研究センター、コロンビア大学バゲロス医科大学、香港大学李嘉誠医学部の20名の研究員20名によって、12月15日に公開された研究論文があります。「SARS-CoV-2のオミクロン変異体によって明らかにされた印象的な抗体回避」と題されたこの研究はオミクロン株にはワクチンの効果は望めないことを明らかにしています。

この研究ではCOVID-19ワクチン(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ、ジョンソン&ジョンソン)を完全に接種した人々の血液サンプルをテストしています。この研究では、ファイザーとモデルナの2社のワクチンでは新型コロナウイルスの従来株(D614G)に対してオミクロン株(B.1.1.529)は中和抗体の量が21分の1に減少したことがわかりました 。またアストラゼネカとジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンで完全にワクチン接種された人々の血液では、中和効果が非常に低く、ほとんど検出できませんでした。さらにブースター接種を受けた個人の中和抗体も調べています。結果はすべてのサンプルの力価は活性が大幅に低下していました。

日本の北里大学の研究でも北里大学の片山和彦教授らのグループが、実際のオミクロン株を使って、国内でファイザーかモデルナのワクチンを2回接種した人それぞれ6人の血液に含まれる抗体にどれだけ効果があるかを培養細胞を使った実験で調べました。その結果、ファイザーのワクチンを2回接種して3か月たった人ではオミクロン株に対する中和抗体の値は、デルタ株の場合と比べて平均で72%下がっていました。また、モデルナのワクチンでは接種後3か月たった人のオミクロン株に対する中和抗体の値は、デルタ株の場合と比べて平均で82%下がっていたということです。

新型株オミクロンに対する感染対策は3密を避ける

感染対策は最近なぜかあまり言われなくなった3密を避けることが最も有効です。新型コロナウイルスによるパンデミックが始まった当初に政府から散々言われ続けた3密回避です。

新型株オミクロンに最も有効なのは換気対策

これは政府が出しているポスターですが、オミクロン株の感染予防に最も有効なのは換気です。オミクロン株は従来型の新型コロナウイルスの4倍以上の感染力を持ち、ほとんど空気感染と考えた方が適切です。京都大の西浦博教授らの研究によると、オミクロン株が1人の感染者から何人にうつるかを示す「実効再生産数」はデルタ株の4倍以上、ノルウェーで発生した集団感染(117人)の例では感染者の9割はワクチン2回接種済みでした。(読売新聞オンライン

以前にも何度か書きましたが、二酸化炭素濃度計を購入して二酸化炭素濃度を700ppm以下に保ちましょう。携帯用に小型のものを購入して、外出時も持ち歩いて計測することが大事です。700ppmを超えると警報が鳴る測定器が便利です。ソーシャルディスタンスも大事です。人との距離は2m以上保ちましょう。飲食店ではマスクを外しますので、換気とともに隣の席とは2m以上の距離を保つことが必要です。2m以上の間隔をとれない飲食店には入らないようにしましょう。

新型株オミクロンは症状が出る前に人に感染させる力が強力

オミクロン株は従来型の新型コロナウイルスとは違って、気管支で増殖します。従来型は肺で増殖するため、直ぐに重症化しやすかったのですが、この新型株は気管支で増殖するため、咳をすると直ぐに人に移してしまいます。香港大のチームの研究ではオミクロン株の感染から24時間までの増殖速度は、デルタ株などに比べて気管支で約70倍速いという結果が出ています。

米ボストン大学公衆衛生学部助教授のLeonardo Martinez氏らが実施した研究では新型コロナウイルスに罹患した患者が、他の人にウイルスを最も感染させやすいのは本人に症状が現れる2日前から3日後までとのことでした。したがって軽症で軽い咳をしているときが最も人に移しやすく危険です。少しでも咳をしている人がいたらその場を離れましょう。

つづく

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